Chateau Chalon Vin Jaune AOC, Blanc/シャトー・シャロン〔ヴァン・ジョーヌ〕 白 2012
■ワイン名:シャトー・シャロン
〔ヴァン・ジョーヌ〕 白
■原産国/地方:フランス/ジュラ地方
■格付け:AOC
■ブドウ品種:サヴァニャン

■コメント
 シャトー・シャロンは数世紀以来、世界で最も偉大とされる辛口白ワインのなかで、その力強く複雑な味わい、そして比肩するもののない香りで高く評価されている。
 すべての味孔に染みこむようなヴァン・ジョーヌを味わった後では、ヴァン・ジョーヌ以外のワインを評価することは、実際、困難だ。
 ヴァン・ジョーヌを他のワインと比べることは不可能だ。それは、いかなるワインに似ても似つかない。ヴァン・ジョーヌの香りや味わいなど、そのキャラクターはすべての既知の評価とはまったく異なっている。
 ヴァン・ジョーヌのワインは、もっぱら、そして義務的にサヴァニャン/Savagninのブドウから造られる。このサヴァニャンは1,000年以上も前からジュラ地方で栽培されているブドウだ。このセパージュの起源は定かではないが、元は野生のブドウで、これが少しずつワインの生産に採用されるようになったという。ヴァン・ジョーヌの非常に特異な味わいは数世紀以来知られており、書物のなかではヴァン・ジョーヌとヴァン・ド・ガルド/Vin de Gardeは鋭く、そして羨望に値するものとして描写されている。
 ヴァン・ジョーヌの醸造は非常に特殊で、クラヴラン/Clavelinと呼ばれる620mlのボトルに瓶詰めする前に、小樽で7年間熟成させることが義務付けられている。
 この希少なワインは世界で最も偉大なヴァン・ド・ガルド(長期間の瓶熟を経て愉しむことが可能となるワイン)。すなわち、ワインは生き生きとしていて、数世紀にわたり行き続ける。ドメーヌでは今もなお1781ヴィンテージのヴァン・ジョーヌをカーヴで保存している。味わいは若く、生命力がある。
 それにもかかわらず、若いヴァン・ジョーヌはただちに評価することができる。なにも、20年、50年、あるいはそれ以上の時が過ぎ去るのを待って、偉大なワインの味わいを確認する必要はない。
 最後に、ヴァン・ジョーヌはなによりもガストロノミーに結びついたワインである。これはアペリティフではない。ヴァン・ジョーヌ固有の繊細さ、力強さ、そして複雑な性格は、さまざまに異なった料理とともに味わうことで、真価が発揮されるのだ。
 シャトー・シャロンはヴァン・ジョーヌのなかで最も偉大で、最も繊細、そして最もエレガントで、最も複雑なワイン。フランスの原産地呼称法で唯一、毎年生産することのできないワインだ。実際、収穫の前に、ヴィニュロンから構成される委員会とINAO(原産地統制呼称委員会)の代理人がアペラション「シャトー・シャロン」の区画内を訪問し、定められた数々の基準を考慮して、アペラシオンにふさわしいブドウであるか、否か、決定を下す。
 したがって、20世紀には5ヴィンテージが生産されなかった。また、シャトー・シャロンのヴァン・ジョーヌは小樽で7年間熟成させた後、ボトリング及び販売許可を得るために、官能検査(試飲)が義務付けられている。

『ル・ギッド・デ・フルールス・デ・ヴァン/Le Guide Fleurus des Vins』2007年版より
 ローブはホワイト・ゴールドで、透明感と輝きに溢れるもの。シトロネルやカレー、サフランなどのスパイスの香りが際立っている。まら、くるみや青りんご、菩提樹、ヴェルヴェーヌ(くまつづら)や、たっぷりとしたミネラルが感じられる。軽いタンニンを持つ生き生きとしたアタックがあり、豊潤且つ複雑な味わいのなかに、最初のアロマが台頭する。バランスの取れたフィニッシュ。ピークは2015年。2050年までに飲みたい。飲む12時間前に抜栓することをおすすめする。家禽のクリーム添えとともに。  ★18/20点 (評価:1999年物)