Chateau Chalon Vin Jaune AOC, Blanc/シャトー・シャロン〔ヴァン・ジョーヌ〕 白 2007
■ワイン名:シャトー・シャロン
〔ヴァン・ジョーヌ〕 白
■原産国/地方:フランス/ジュラ地方
■格付け:AOC
■ブドウ品種:サヴァニャン
■コメント
 シャトー・シャロンは数世紀以来,世界で最も偉大とされる辛口白ワインのなかで,その力強く複雑な味わい,そして比肩するもののない香りで高く評価されている。
 すべての味孔に染みこむようなヴァン・ジョーヌを味わった後では,ヴァン・ジョーヌ以外のワインを評価することは,実際,困難だ。
 ヴァン・ジョーヌを他のワインと比べることは不可能だ。それは,いかなるワインに似ても似つかない。ヴァン・ジョーヌの香りや味わいなど,そのキャラクターはすべての既知の評価とはまったく異なっている。
 ヴァン・ジョーヌのワインは,もっぱら,そして義務的にサヴァニャン/Savagninのブドウから造られる。このサヴァニャンは1,000年以上も前からジュラ地方で栽培されているブドウだ。このセパージュの起源は定かではないが,元は野生のブドウで,これが少しずつワインの生産に採用されるようになったという。ヴァン・ジョーヌの非常に特異な味わいは数世紀以来知られており,書物のなかではヴァン・ジョーヌとヴァン・ド・ガルド/Vin de Gardeは鋭く,そして羨望に値するものとして描写されている。
 ヴァン・ジョーヌの醸造は非常に特殊で,クラヴラン/Clavelinと呼ばれる620mlのボトルに瓶詰めする前に,小樽で7年間熟成させることが義務付けられている。
 この希少なワインは世界で最も偉大なヴァン・ド・ガルド(長期間の瓶熟を経て愉しむことが可能となるワイン)。すなわち,ワインは生き生きとしていて,数世紀にわたり行き続ける。ドメーヌでは今もなお1781ヴィンテージのヴァン・ジョーヌをカーヴで保存している。味わいは若く,生命力がある。
 それにもかかわらず,若いヴァン・ジョーヌはただちに評価することができる。なにも,20年,50年,あるいはそれ以上の時が過ぎ去るのを待って,偉大なワインの味わいを確認する必要はない。
 最後に,ヴァン・ジョーヌはなによりもガストロノミーに結びついたワインである。これはアペリティフではない。ヴァン・ジョーヌ固有の繊細さ,力強さ,そして複雑な性格は,さまざまに異なった料理とともに味わうことで,真価が発揮されるのだ。
 シャトー・シャロンはヴァン・ジョーヌのなかで最も偉大で,最も繊細,そして最もエレガントで,最も複雑なワイン。フランスの原産地呼称法で唯一,毎年生産することのできないワインだ。実際,収穫の前に,ヴィニュロンから構成される委員会とINAO(原産地統制呼称委員会)の代理人がアペラション「シャトー・シャロン」の区画内を訪問し,定められた数々の基準を考慮して,アペラシオンにふさわしいブドウであるか,否か,決定を下す。
 したがって,20世紀には5ヴィンテージが生産されなかった。また,シャトー・シャロンのヴァン・ジョーヌは小樽で7年間熟成させた後,ボトリング及び販売許可を得るために,官能検査(試飲)が義務付けられている。

  『ル・ギッド・デ・フルールス・デ・ヴァン/Le Guide Fleurus des Vins』2007年版より
・・・ローブはホワイト・ゴールドで,透明感と輝きに溢れるもの。シトロネルやカレー,サフランなどのスパイスの香りが際立っている。まら,くるみや青りんご,菩提樹,ヴェルヴェーヌ(くまつづら)や,たっぷりとしたミネラルが感じられる。軽いタンニンを持つ生き生きとしたアタックがあり,豊潤且つ複雑な味わいのなかに,最初のアロマが台頭する。バランスの取れたフィニッシュ。ピークは2015年。2050年までに飲みたい。飲む12時間前に抜栓することをおすすめする。家禽のクリーム添えとともに。  ★18/20点  (評価は1999年)