Touraine Gamay Premiere Vendange AOC, Rouge
/トゥーレーヌ・ガメィ プルミエール・ヴァンダンジュ 赤
*ワイン名:トゥーレーヌ・ガメィ
プルミエール・ヴァンダンジュ 赤
*原産国/地方:フランス/ロワール地方
*原産地呼称:AOC トゥーレーヌ
*ブドウ品種:ガメィ100%
*コメント
 これは私の夢のワインです。“プルミエール・ヴァンダンジュ”(初収穫)と命名しました。かつて人間がワインを造った、そのワインのように自然なワインを造ってみたかったのです。しかし、失敗すれば1年の収穫がすべて無駄になります。1970年から20年にわたり試行錯誤を繰り返し、今から21年前の1990年に初めて実現しました。

 ブドウの果汁は放置すれば発酵して酢になります。自然の帰結です。酢になるはずのものに“介入”して、私たちはワインを造ったのです。ワインを創り出したのは人間です。介入と言うとマイナスのイメージですが、知恵を働かせたのです。おそらく、ルイ14世が宮殿で飲んでいたワインは、秋から冬はまだしも、気温の上がる春先には酢になっていたのでは・・・。17世紀にはワイン造りに亜硫酸が添加されるようになりました。亜硫酸には2つの役割があります。バクテリアを殺し、ワインの大敵である酸化を防ぐことです。空気中には無数の菌がいて、良い菌も悪い菌もブドウの実についたまま醸造されます。もちろん、実を腐らせる腐敗菌も一緒です。亜硫酸は腐敗菌を殺しますが、同時に貴重な他の菌なども殺してしまうのです。ブドウは500-600の要素でできているのです。酸化とは、リンゴをむいて5分もおくと表面が変色する、あれです。

 私のワイン造りは、第1に健康なブドウを育てること。そして、丁寧に摘むことです。摘み取った実は小さな籠に入れ、木樽ではなくステンレスのタンクに直行させます。酸化の原因を防ぎ、亜硫酸はいっさい使いません。酵母を添加したり、漉したり、卵白で澱を取り除いたり、人工的な介入は全く行いません。リスクは毎年あります。今年で21年目ですが、2度も失敗しました。子供と同じですよ。健康な子供に良い環境を与える・・・。それは、奇跡のようなことです。

 “プルミエール・ヴァンダンジュ”は、クラシックなキュヴェよりも強い色調と複雑なアロマを持っています。深いガーネット・ルビーの色調に、若々しさで紫がかったローブ。フランボワーズやカシス、ブルーベリー、スミレ、パン・デピスなどのアロマ。味わいは澄んで混じりけがなく、フレッシュ。非常にピュアな果実味があり、大変長い余韻とともにしっかりした構成の上でバランスが取れています。“プルミエール・ヴァンダンジュ”は、ぜひ、瓶詰めされた年のあいだ(収穫の翌年中)に飲んで下さい。トゥーレーヌの郷土料理や、特にあらゆるジビエに大変良く調和します。


“プルミエール・ヴァンダンジュ”のバック・ラベルには、
フランス語で「発酵、熟成、瓶詰めは二酸化硫黄を全く添加することなく行われました」
とはっきりと明示されています。


“プルミエール・ヴァンダンジュ”は、いわゆる「自然派ワイン」と一線を画す美味なワインです。2003年5月に行われたフランス演劇界の祭典、「第17回モリエール賞」のガラ・ディナーでは、“プルミエール・ヴァンダンジュ”の2002年物が公式ワインに選出され、 仏演劇界の著名人たちに振舞われました。『アシェット・ワイン・ガイド』では、過去2度も「ク・ド・クール=最も心に残るワイン」に輝いています。『ル・フィガロ・マガジン』をはじめ数々の雑誌でも大きく取り上げられ、多くの評論家たちが称賛のコメントを送っています。


『ベタンヌ・ドゥソーヴ 2024年版』のコメント
2022 プルミエール・ヴァンダンジュ  94点
・・・アンリ・マリオネと息子ジャン=セバスティアンはその手掛けるワインで素晴らしい成績を収めている。このドメーヌは、トゥーレーヌの忘れられたブドウ品種(ロモランタン、ガメイ・ド・ブーズ)と樹齢150年(※実際は樹齢200年超)の接ぎ木していないブドウの木(例外的なヴィニフェラ・コレクション)に誇りを持っている。プルミエール・ヴァンダンジュを是非試してほしい。このキュヴェは、マセラシオンのプロセスにおいて二酸化硫黄無添加で醸造されたもの。ドメーヌでは、マリオネ家が共感と知性をもってヴィンテージについて説明してくれる。見逃せない感動的なドメーヌだ。
※その後の、より専門的な調査により、ロモランタンは1820年から1840年頃に植樹されたと判明。樹齢は200年超。

『アシェット・ワイン・ガイド/2010年版』のコメント
ク・ド・クール(最も心に残るワイン)
/★★(2つ星)(評価:2008VT)
・・・アンリ・マリオネは、トゥーレーヌ地区のガメィとソーヴィニヨン品種の普及に関して、最も活動的なヴィニュロンである。彼はソローニュのテロワールの発見に必要なあらゆる心配りとともにガメィとソーヴィニヨンを栽培し、醸造を行っている。手摘みで収穫したガメィに由来し、二酸化硫黄無添加で、全房発酵で醸造したこの豪奢なキュヴェは、ク・ド・クールから外すことのできない卓越した技を証明している。ワインはバランスが取れ、ガーネット色のローブと、カシスや黒イチゴを思わせるフルーティーな香り、そして引き立てられたタンニンに立脚した素直で真っ直ぐなストラクチャーを備えている。生き生きとして最も美しいフィニッシュが残る。この“プルミエール・ヴァンダンジュ”にとって、2004VTに続く2度目の快挙だ。いったい、これから先どこまで進むのだろう?

『アシェット・ワイン・ガイド/2006年版』のコメント
ク・ド・クール(最も心に残るワイン)
/★★(2つ星)(評価:2004VT)
・・・ドメーヌは接ぎ木していないブドウ樹や、接ぎ木しているブドウ樹のセパージュ・ワインを得意にしている。この2004年物は酸化防止剤を一切添加することなく醸造された。その結果、異様に深いローブをまとった色調で、熟した赤い果物のアロマが口中にまで広がるガメィが誕生した。ワインは傑出したストラクチャーを備え、豊潤で非常に長い余韻のある絹のようなマティエールのなかに、タンニンが完璧に包み込まれている。グリルした料理や、ソースを添えた料理と合わせれば、成功が保証されている。2年くらい寝かせることもできる。





『ル・フィガロ・マガジン/2009年5月2日号』のコメント
・・・過去20年の間に醸造技術は飛躍的に進化した。特に知識の進歩によって、造り手たちは経験によるノウハウを完璧にすることができるようになった。こうして、アンリ・マリオネは、平均樹齢40年のガメィのブドウ樹から、添加物も発酵をコントロールするための酵母も、ワインを安定化させる二酸化硫黄も加えず、濾過のための清澄も行わない、完全に純粋なワインを造る挑戦をトゥーレーヌ地方で始めたのだ。この挑戦は、バクテリアの繁殖によってわずか数時間でワインが酢になってしまうリスクを伴う危険な作業だった。しかし、結果は感銘的なものとなった。際立った色調と、さくらんぼや黒イチゴなどのブラックフルーツの香り、果実味と新鮮さの間でバランスの取れた口中、そして、この地方のガメィには到底期待することのできない衝撃的な複雑さが備わり、他のガメィとも異なる味わいだ。もちろん長く熟成させるワインではないから、少し冷やして(12度)、年内に味わうのが良いだろう。


 
*ミッシェル・ベタンヌのコメント
・・・アンリ・マリオネの“プルミエール・ヴァンダンジュ”は、一般に知られているすべてのボージョレよりも美味な果実味と、比類のないビロードのテクスチャーを兼ね備えている。

*ジェームス・ターンバル(イギリスのワイン・ジャーナリスト)のコメント
・・・アンリ・マリオネにとっての現代醸造学に対する唯一の譲歩であるマセラシオン・カルボニックで、単純に酸化から守った、これぞ全くの自然ワイン!純粋さとフルーティーさを追求するマリオネにとって、この“プルミエール・ヴァンダンジュ”は、おそらく最も彼の哲学を表現しているキュヴェに違いない。瓶詰めされた年のうちに消費するように仕立てられる“プルミエール・ヴァンダンジュ”はエレガントで、フランボワーズやカシス、バイオレットなどの魅力的な香りとともに、美しく深い赤のローブと紫色の反射を持っている。素晴らしくピュアで、フレッシュな味わい。ハーモニーが取れ、しっかりとした構成。13度でサーヴィスすれば、肩肉のファルシーに快く調和する。

『ラ・ルヴュ・デュ・ヴァン・ド・フランス』誌のコメント
・・・才能豊かなアンリ・マリオネは、基準から逸脱した全くもって前代未聞なワインを造ろうと努めた。このワインは我々の喜びを大きくしてくれるに違いない!マリオネは、全く自然な状況で、二酸化硫黄も培養酵母の添加もなく、自然な方法でできあがった昔のワインの思い出として、このワインを“プルミエール・ヴァンダンジュ”と命名し、醸造による歪曲のない完全な純粋さにおける品種の素晴らしさへのオマージュ(敬意)となることを願っている。素直でフルーティーなガメィ、心地よく美味。

*ミッシェル・ポン(『ル・フィガロ』誌のジャーナリスト)のコメント
・・・“プルミエール・ヴァンダンジュ”と呼ばれるこのキュヴェは、全く補糖せずに、いかなる形によるほんのわずかな二酸化硫黄の添加もなく瓶詰めされた先験的に“不可能な”ワイン。クラシックなガメィよりも際立ったローブ、木イチゴ、黒イチゴ、さくらんぼ、カシスの味わい。しっかりと成熟したタンニン・・・。これぞ、異型的に興奮させられるガメィ!