Provignage Romorantin, Blanc*限定品*
/プロヴィニャージュ・ロモランタン(ヴァン・ド・フランス) 白
*ワイン名:プロヴィニャージュ
・ロモランタン 白
*原産国/地方:フランス/ロワール地方
*原産地呼称:ヴァン・ド・フランス
*ブドウ品種:ロモランタン100%
*植樹面積:0.36ヘクタール
*植樹年:1820〜1840年
*総生産量:1,500本

*アンリ・マリオネによるコメント
 大変複雑で、ミネラル分に富んだ香り。ライチやマルメロを思わせるアロマがある。シュナン・ブランのように繊細な味わい。カラフに移し替えてアエレーションするか、もしくはサーヴィスする1時間前に抜栓することをおすすめします。口中はリッチでやわらかく、杏やイチジク、野の花などを思わせるノートがある。アペリティフや食事の前半に合わせるにふさわしい仕上がりになっています。

 収穫したブドウは直接圧搾され、24時間の前清澄が施される。その後、ステンレス・タンクで15度の低温で発酵が行われる。マロラクティック発酵は行わず、収穫翌年の春の瓶詰めまで引き続きステンレス・タンクで熟成が行われる。

 2004年仏首相官邸におけるエリザベス女王とフランス首相との宮廷午餐会、2009年11月開催のフランス・ワイン・アカデミーの晩餐会でもサーヴィスされ、ロマネ・コンティのオベール・ド・ヴィレーヌ氏や、ドミニク・ラフォン、シャトー・ディケム元支配人なども堪能。フランスの威信を内外に示す国威発揚的ワイン。

*ロモランタン品種:トゥーレーヌの隣のACクール・シュヴェルニィではアペラションの指定品種になっていますが、アンリ・マリオネのドメーヌがあるAOCトゥーレーヌでは指定品種になっていないため、ワインのカテゴリーはヴァン・ド・ランスになっています。

プロヴィニャージュ
 ロモランタン品種は、ロモランタン村の周辺に植樹するために、ブルゴーニュ地方から8,000株の苗木を取り寄せたフランソワ1世によって、1519年にこの地方に持ち込まれました。
 フランソワ1世は、そこに豪華なシャトー(城)を建設しようと計画し、ブドウ樹が植樹されたのですが、結局、シャトーはシャンボールに建設されました。
 専門家たちは、このブドウ樹の非常に高い樹齢を確証してくれました。つまり、フィロキセラが現れたのが1870年以降のため、このブドウ樹は接ぎ木されていないのです。近年、より専門的な調査が行われ、1820〜1840年頃に植樹されたことが判明しました。樹齢は最長で200年超。プレ・フィロキセラのブドウ樹はフランス国内外にあるが、植樹年が特定されているブドウ樹は珍しい。しかも、中身も100%その古木由来という、世界でも唯一無二のキュヴェ。
 約2世紀に亘って生き延びてきたわずか0.36haの区画から造られるワインは年間一千本前後と超限定生産。ロマネ・コンティに匹敵するほどの低収量(1ha当たり約20hl前後)と、“ウルトラ・ヴィエイユ・ヴィーニュ”の超古樹に由来するワインを味わうことはまさにフランス・ワイン文化の真髄に触れることであり、人類の奇跡と言えます。ワインは大変複雑で、長命な熟成タイプ。まったく並外れています。私たちの歴史の1ページを飾り、フランスの文化遺産の1つとなるワインです。

*プロヴィニャージュに関する各種ワイン雑誌のコメント
『ワイン・アドヴォケイト172号/2007年8月号』のコメント
・・・2005年物のプロヴィニャージュは、桃、ライム、高級な木苺の蒸留酒やクルミ油などの強烈な香りを放つ。驚くほど濃厚で色調も濃く、開放的であるものの、口当たりは非常に華やかである。桃、杏の実、塩、蒸留したベリーエスター、さらに澱やイーストの特長を強く感じることができる。果物、ナッツ油、エステルが豊富な蒸留したベリー、苦味のあるトーストを思わせる切れ味は驚くほど魅力的、かつ刺激的。熟成はあまりできないが、気弱な人には飲めないほどインパクトのあるワインだ。  ★92/100点(評価:2005年物)

『ワイン・アドヴォケイト145号/2003年2月号』のコメント
・・・以前にも記述したとおり、マリオネのプロヴィニャージュは樹齢160年のプレ・フィロキセラのロモランタン種のブドウ樹から造られたもので、このワインについて述べるためには、オーバーなほど沢山の空気に触れさせる必要がある。案の定、2000ヴィンテージも相当量の空気を取り入れて、やっと開いた。私がこのワインに期待していた通りのレッド・ベリー(主にラズベリーや赤すぐり)のアロマと傑出した力強さ、深み、余韻の長さが表れてきた。このミディアム・ボディのワインの特徴は終始レッド・フルーツだと言えよう。  ★91/100点(評価:2000年物)

『ワイン・アドヴォケイト145号/2003年2月号』のコメント
・・・好奇心旺盛な読者は、マリオネの1999年物のプロヴィニャージュを試してみるといいだろう。プロヴィニャージュ。この麦藁色のワインは、人々の知的好奇心を魅了するワインである。珍しいロモランタン品種で造られたこのワインのブドウ樹は、その期限を19世紀にまでさかのぼる。フランス最古の2つのブドウ畑のうちの1つ(もう1つはシャンパーニュのボランジェが所有するヴィエイユ・ヴィーニュ・フランセーズと呼ばれる著名な区画)で、20世紀初頭のフィロキセラ禍を免れたフランスでも数少ないブドウ畑である。私が発見したところ、このワインは空気に触れることで、劇的にその味わいを豊かにする。最初は茹でたピーナッツやガーリックの香りを思い出させ、その後空気に触れると、熟れた桃やラズベリーの香りに変化した。新玉ねぎ、ガーリック、白や赤のベリーの味わいを持つ、不思議で美味なミディアムからフル・ボディのワインだ。  ★88/100点(評価:1999年物)

『ワイン・アドヴォケイト124号/1999年8月号』のコメント
・・・1998年物のプロヴィニャージュは、プレ・フィロキセラのブドウ畑に1840年に植樹されたロモランタン品種で造ったワインである。ロモランタンはまれに見る品種で、世界で386エーカーしか植えられていない。そして、そのうちの95%がロワールのクール・シュヴェルニィにある。このワインは空気に触れることでドラマティックに向上する。私は4時間にわたって、この輝くように澄んだワインの空気による変化を観察した。最初は、新鮮なマンゴーやスイカズラ、フルーツ・キャンディーのアロマがグラスから飛び出してくる。しかし、その香りは空気に触れることで、生き生きさを保ったまま、ラズベリーの香りへと変化していった。味わいはライトからミディアムのボディ、サテンのようなストラクチャー、そして力強い。中心となっているラズベリーの豊満な味わいが、貝殻やヨード、鉱物質の味わいと混ざり合っている。複雑で深みがあり、ずば抜けて長い余韻。まさに傑出したワインである。わずか4時間でもその片鱗を見せてくれたが、セラーで寝かせることでさらに良くなることはまちがいない。好奇心の強いワイン愛好者ならば、世界中で大きな関心を集めているプロヴィニャージュを、ぜひとも1本かそれ以上手に入れるべきだろう。  ★91/100点(評価:1998年物)

『ラ・ルヴュ・デュ・ヴァン・ド・フランス』誌のコメント
・・・緑色の反射に飾られた透明なローブ。なによりもまず、ワインのボディと粘性に驚かされる。アンリ・マリオネは、「この粘性こそ、接ぎ木をしないブドウ樹に由来するワインに見られる粘性」と言う。非常に強い花の香り。酸味は完全に同化している。完璧なバランスで、果物や花のアロマの余韻が長く続く。しっかりとした構成で、この上なく心地よいワイン。まちがいなく長命なワインである。

『ル・フィガロ』誌のコメント
・・・ヘーゼルナッツ、アーモンド、白い花などに印象付けられた軽やかな香り。素晴らしい酸に支えられた蜂蜜や、生き生きとした感覚が口中に広がる。フィニッシュでは、この品種にしては異例とも言える粘性が広がり、まさに絶頂に達する。ブール・ブラン・ソースの料理や若鶏のクリーム煮に良く合うことだろう。

*マリオネのプレ・フィロキセラのブドウ樹の発見は、『ラ・ルヴュ・デュ・ヴァン・ド・フランス/432号(1999年7月号)』で大きく取り上げられ、その後のプロヴィニャージュのリリースによって、瞬く間に世界中に知れ渡りました。