Touraine Sauvignon AOC, Blanc/トゥーレーヌ・ソーヴィニヨン 白
*ワイン名:トゥーレーヌ・ソーヴィニヨン 白
*原産国/地方:フランス/ロワール地方
*原産地呼称:AOC トゥーレーヌ
*ブドウ品種:ソーヴィニヨン・ブラン100%
*植樹面積:22ヘクタール
*植樹年:1967-1982年
※2023年物(2024年入荷予定)は、クラシックな醸造法による。


*コメント

 集団選抜に由来するブドウ樹の大部分は、1967-1982年に植樹されたもの。
 収穫はすべて手摘みで行われます。収穫したブドウの品種に適合させるため、醸造法は毎年異なります。ドメーヌのトゥーレーヌ“ソーヴィニヨン”は、基本的に2つの異なる醸造法で造られたロットのアッサンブラージュに由来しています。最初のロットは、クラシックな方法で醸造されます。これは、非常に良好に熟成したブドウに適用され、まず、ブドウは圧搾機の上で除梗されます。この際、炭酸ガスを継続的に圧搾機と受け取り桶に供給して、ブドウを完全に空気から遮断します。そして、空気圧圧搾機を使い、ゆっくりと圧搾して果汁を分離します。タンクに入れられた果汁は5度に冷却され、続いて果汁を澱から分離することによって、最初の24時間で沈殿する不純物の澱下げを行います。その後、温度を上げて、16-23度の間で発酵を行います。発酵の数日前に酒母が造られるため、培養酵母を添加することなく自然発酵のみで発酵が開始されます。

 もう1つのロットは、ガメィのように醸造されます。これはソーヴィニヨンの酸が多すぎて、典型的な植物臭(リンゴ酸の含有量が過剰な場合)が強すぎるブドウに適用されます。ソーヴィニヨンをガメィのように房ごとステンレス・タンクの中に入れて、細胞内発酵(炭酸ガス浸漬法=マセラシオン・カルボニック)させるのです。この方法によって、ブドウのリンゴ酸、つまり、あまりにも植物的過ぎる特徴が自然に減少するのです。結果として、ワインは調和が取れ、まろやかで素晴らしいアロマを持ちます。このようなことをしているのは、世界中で私だけでしょう。しかし、この細胞内発酵は、わずか3日間にとどめます。3日間の発酵後、ゆっくりと圧搾して果汁を分離し、再び同じ温度で、クラシックな方法で発酵させます。いかなる培養酵母の添加も、清澄も行いません。

 この方法は、除梗して6-24時間果皮浸漬を行うスキン・コンタクトとは異なります。私の手法は、手で摘み取って選別し、炭酸ガスで充満したタンクに直接入れたブドウの房全体から行われる発酵です。スキン・コンタクトは、除梗して破砕したブドウによるマセラシオン(果皮浸漬)で、最大でも24時間です。結果として、生まれるワインの性質もまったく異なりますが、私は毎年スキン・コンタクトのロットも造り、ソーヴィニヨンのすべてのロットのなか振り分けます。スキン・コンタクトをしたものは、一般的によりしっかりとした構成をしており、アッサンブラージュするには非常に面白いものです。すべてが終了したら、時宜を得ないマロラクティック発酵を開始を避けるため、ワインは粗い澱から分離されます。瓶詰めは、最初の冬を越した後(つまり収穫の翌年の春)に、軽く二酸化硫黄を添加し、濾過の後、行われます。

 ソーヴィニヨンはまったく補糖されません。一般的に平均アルコール度数は、11.5-12度です。この2つの醸造方法(+スキン・コンタクトのロット)の最終的なアッサンブラージュにより、トゥーレーヌ“ソーヴィニヨン”は並外れた広がりを持つようになります。実際、アロマの幅がより大きく広がります。才気煥発で、ソーヴィニヨン種の特徴である植物の草のような印象はまったく感じられません。白桃、レモン、アプリコット、洋梨、パッション・フルーツなどの果物や、アカシア、スイカズラなどの花の香りが感じられます。味わいは一定の酸味を保ちながら、自然な豊かさに伴うふくよかさがあります。その上質な優雅さは、貪欲な試飲ができないほどの喜びを我々に与えてくれます。

 サーヴィスは7-8度に冷やして、18ヶ月以内にご賞味下さい。アペリティフとして、あるいはシーフード、特に海老やカニ、川魚、ハム、ソーセージ、鶏肉、山羊のチーズなどに素晴らしく調和します。また、アスパラガスのクリーム添えとは最高のマリアージュです。

『ワイン・アドヴォケイト90号/1993年12月号』のコメント
・・・長年の読者は、私の<お買い得ワイン>にアンリ・マリオネのワインが頻繁に登場していることを知っているだろう。このピリッとした火打石やハーブの強い香りを持つワインは純粋で典型的なソーヴィニヨンの特長を持つ。ライトからミディアム・ボディの果実味豊かで、ピリッとした切れ味を持ち、余韻が長い。来年ぐらいまでが飲み頃だろう。(評価:1992VT)

『ラ・ルヴュ・デュ・ヴァン・ド・フランス』誌のコメント
・・・これぞ芸術的な方法で醸造されたソーヴィニヨンのワイン。わずかな植物臭の痕跡もなく、自然な酸の素晴らしい骨格を持ち、完璧な材料によって造り上げられている。醸造学の学校に示したい真のソーヴィニヨン。しかも、非常に廉価である!

ジョン・ウィンロック氏(エル誌のジャーナリスト)のコメント
・・・傑出したワイン。青みがかったレモン色のローブ、アロマは非常に顕著だが決して強すぎず、レモンやグレープフルーツなどの柑橘類を感じさせ、大変上品で新鮮。味わいにおいても同じことが言える。非常にエレガントで混じりけがなく、新鮮で軽快。ワインは口当たりが良く、味わいが長く残る。攻撃的な印象や草のような不快な印象はない。しばしば、きつ過ぎるソーヴィニヨンの酸味も、ここでは完全にバランスが取れている。

*その他
 2002年物が、フランス演劇界の祭典《モリエール賞》のガラ・ディナーの公式ワインに選出(会場:レストラン・フーケ)。