Diecicoppe IGP Colline Pescaresi, Rosso
/ディエチコッペ IGP コッリーネ・ペスカレージ 赤
*ワイン名:ディエチコッペ
IGP コッリーネ・ペスカレージ 赤
*原産国/地方:イタリア/アブルッツォ州
*原産地呼称:IGP コッリーネ・ペスカレージ
*ブドウ品種:モンテプルチアーノ50%
カベルネ・ソーヴィニョン50%
国際品種カベルネ・ソーヴィニョンの栽培面積はわずか0.67ha
超貴重な、土着品種と国際品種のブレンド

畑はグラン・サッソの麓、高温帯で非常に風の強い海抜550mのペスコザンソネスコ地区およびカスティリオーネ・ア・カザウリア(ぺスカーラ県)にある。土壌は粘土石灰質で、骨格が非常にしっかりとしたワインができる。

ディエチコッペは、モンテプルチアーノ・ダブルッツォ、メルロー、そしてカベルネ・ソーヴィニヨンから、1ヘクタールあたり約80キンタルの収量で得られる。ブドウは10月の最初の10日間に収穫され、果皮浸漬を10〜12日間行う。ステンレス・タンクで数ヶ月間熟成後にボトリングし、3ヶ月間休ませる。

ワインの醸造は10月の10日から20日にかけて。果皮浸漬を10〜12日間。マロラクティック発酵は自然に発生する。熟成はステンレス・タンクで4ヶ月、その後、ボトル内で3ヶ月。

*コメント
紫がかったルビー色。チェリーや熟したブラックベリー、ワイルドベリー、そしてマラスキーノ酒の香り。ユーカリとコショウの風味のおかげで、バルサムやスパイシーなノートがあり、力強くてエレガントなタンニンがそのノートを高める。バランスの取れた、持続性のある、「男性的な」ワイン。

飲む前に10日間ほど寝かせること。18度でのサーヴィスがお薦め。

トマト・ソースのパスタ、野菜スープ、豆、ラム肉、山羊、ハーブで味付けした肉料理との相性が抜群。

ボトルは、直射日光や熱、騒音のない、温度15〜18度、湿度60〜80%の場所で、水平に寝かせて保管。

*「ディエチコッペ」という名前の由来について
「ディエチコッペdiecicoppe」は「カップ10杯(ten cups)」という意味で、「カップ」(イタリア語では「コッパcoppa」)は、かつてアブルッツォ州などで使われていた土地の測定単位。約15コッパで1haで、そのため、1コッパは約666.67uとなる。(ただ、まだ機械のない時代に使われていた測定単位であるため、1コッパの広さには地域によってバラツキがあり、550〜750uほどの土地を指していたと言われている。)
1980年代、ワイナリーの現オーナーであるミンモがワイナリー経営に参加。当時、アブルッツォ州の生産者はすべて、ミンモの父親フランコのように、土着品種のみに焦点を当てていた。一方のミンモは、当時この地域には存在していなかったカベルネ・ソーヴィニョンなどの国際品種に可能性を感じていた。議論は長らく平行線をたどっていた。ミンモは国際品種を植えたいと思っていたが、フランコは非常に懐疑的だったのだ。最終的にミンモは何とかフランコを説得することができたが、フランコは、「植えても良いが、カップ10杯(diecicoppe)分以下にしなさい!」と叫んだという。こうして、フランコ・パセッティを称えるオマージュとして、国際品種を使ったこのキュヴェはディエチコッペ(=約0.67ha)と名付けられたのだ。

*各誌の評価
『ヴィノス(2021年3月)』  ★88/100点(評価:2019年物)
モンテプルチアーノ・ダブルッツォとカベルネ・ソーヴィニョンのブレンド。スモーキーで、砕いたアシェンストーンや白胡椒のノートを漂わせているが、時間と共に更に進化し、酸味のあるブラックベリーや野生ハーブの風味も感じられる。実際、柔らかく、果実味豊かで、酸味のある柑橘類が引き立たせる赤果実や青果実が映える。フィニッシュには新鮮さと上質なタンニンのほのかな香りがあり、表現の組み立てが見事。

『ヴィノス(2018年7月)』  ★90/100点(評価:2017年物)
真っ黒なルビー色。生き生きとしたレッドチェリーやプラムのアロマとフレーバーが、繊細なハーブやセイボリーのニュアンスで補完されている。フィニッシュは滑らかで、ピリッとする魅力的な鋭さがあり、それがワインの構造と複雑さを高める。実はとても素敵なワインで、親しみやすい魅力が感じられる。