HOME >> 生産者情報 >> オルト・ディ・ヴェネツィア(イタリア/ヴェネト州)
サンテラズモ島
ワイナリー設立までの経緯
土壌微生物学の
世界的な権威
リディア&クロード
・ブルギニヨン夫妻
醸造コンサルタント
アラン・グライヨ
ジャン=クロード・マスも注目
サンテラズモ島のポテンシャル
“オルト”をオン・リストしている
レストラン
メディア情報
キュヴェの詳細

*フランス/パリ
  ・アラン・デュカス・オ・プラザ・アテネ
Alain Ducasse au Plaza Athenee ★★★ ミシュラン3つ星
  ・オーギュスト Auguste ★ ミシュラン1 つ星
  ・イ・ゴロージ I Golosi  ミシュラン ビブグルマン

*フランス/ローヌ=アルプ
  ・メゾン・ピック Maison Pic ★★★ ミシュラン3つ星
  ・ル・フロコン・ド・セル Le Flocons de Sel ★★★ ミシュラン3つ星
  ・レ・セードル Les Cedres  ★★★ ミシュラン3つ星

*フランス/ブルターニュ
  ・パトリック・ジョフロワ Patrick Jeoffroy ★★★ ミシュラン3つ星

*イタリア/ヴェネツィア
  ・イル・リドット Il Ridotto ★ ミシュラン1 つ星
  ・オステリア・ダ・フィオーレ Osteria da Fiore ★ ミシュラン1つ星
  ・ハリーズ・バー Harry's Bar  ヘミングウェイが愛したベリーニ発祥の店

*イタリア/スキオ(ヴィチェンツァ県)
  ・スピネキーレ・リゾート Spinechile Resort  ★ ミシュラン1つ星
(フェラン・アドリア率いるエル・ブリで修行し,ヴェネツィアのホテル・メトロポールのメットで支配人兼エグゼクティヴ・シェフを務めたコラード・ファゾラートがオープン)

『フィナンシャル・タイムズ 2016年5月14日』(英国)
・・・今日はフランスの元TVプロデューサー,ミシェル・トゥルーズと彼のワイナリー,オルトでランチを食べた。トゥルーズは2000年に壊れかけた別荘付きのオルトを購入した。長年未使用だったこの区画は,数百年前にはラグーン(潟)で最も栽培に適したテロワールであったことを発見,2003年にブドウを植樹した。2007年に彼はここに移住し,初ヴィンテージを完成させた。オルトのブレンドは型破り。マルヴァジア・イストリアーナとヴェルメンティーノ,南部カンパニアのフィアーノを使っていて,しかも美味しい。
『チャイナー・デイリー 2015年10月7-8日』(中国)
・・・ミシェル・トゥルーズが手がける高級ワインは,一見,何も驚きがない。ラベルはシンプルだし,実際,ゴミ箱から拾ってきたようなボトルだ。ガラスが少し薄く,石灰化したミネラルが沈殿しているようなボツボツも認められる。

「確かにそうだ」とラグーンの海岸沿いにヴェネツィアの辺鄙なサンテラズモ島にあるワイナリーのフランス人オーナーは言う。彼のオルト・ワイナリーが島で唯一,ブドウ栽培から瓶詰めまでを行っているという。彼のプレミアム・ラベルは,文字通りラグーンの片隅で熟成されており,ボトルを沈めた冷たく暗い水中で熟成されている。

「条件は完璧だ。光を遮り,温度を一定にすえるため,2艘のボートを6メートルの深さまで沈めている。売れ行きも芳しく,ワインは美味い。それにストーリーも良い」と笑いながら語る。一般的な海岸は砂質だが,ここは粘土質だ。貝由来の石灰岩のおかげで高いミネラルを含んだワインが生まれる。ラグーンの土砂は特別で,ワインを飲むことによって味わうことができる。

トゥルーズ1人だけがそう思っているのではない。ラグーンでのワイン造りの歴史はヴェネツィア都市国家が強大な海軍国だった頃まで何世紀も遡る。当時は常にどこかと戦争中で,島は自給自足を強いられていたので,ブドウ園を増やすことが必要だった。近年この地域の伝統と文化に新しい評価がある。単にワインの生産を復活させただけでなく,観光客にボートでワイナリーを案内するという非日常体験を提供している。
『フィナンシャル・タイムズ 2014年7月9日』(英国)


・・・旅の最初の目的地は,ボートでヴェネツィアのラグーンを渡り,サンテラズモ島へ。有名なカストラウーレ・アーティチョークの短い旬を狙って訪問した。さらに,1966年の大洪水以来初めてブドウの栽培に挑戦したフランス人,ミシェル・トゥルーズの4.5ヘクタールのオルト・ヴィンヤードも旅の大半を占めている。

氾濫しやすい島の高濃度の塩分を含む土壌にブドウを植樹することは,湿った砂の岸の上に都市国家を築くことと同等に馬鹿げている。ヴェネツィアほど干拓し甲斐のある場所はないだろう。友人であるクローズ・エルミタージュの醸造家,アラン・グライヨのサポートを受け,トゥルーズは土壌微生物学の世界的な権威であるフランスのリディア&クロード・ブルギニヨン夫妻に,自身の土地を調査してもらうことができた。粘土質,石灰岩質に加え,ドロミーティ山脈の堆積岩が流れ着いていることが分かった。潮風のおかげで害虫が寄り付かないが,土に含まれる塩分が問題であった。

多くの努力をひつ嘔吐した。壁の建設,排水路の浚渫(しゅんせつ:水底をさらって土砂などを取り除くこと)を行い,伝統的に海岸の気候に適った品種であるマルヴァジア・イストリアーナとヴェルメンティーノを接木せずに植樹した。この品種の割合で,ブドウはワイン荷ボディ,酸の骨格,アロマティックな新鮮さを与える。そして,カンパニア州アヴェリーノの火山性土壌でよく見かけるフィアーノを加えることにより,ストラクチャーとミネラルの凝縮感が付与される。ワインは天然の糖分(2010年:12.5%,暑かった2011年:13.9%)で発酵を行い,樽は使用せず,すべて手作業で行う。マグナムはラグーンに沈めたボートで熟成させる。最高のセラーだ。

2010年と2008年を試飲した。前者は活気があり,後者は広がりのあるオイリーな口当たり。フィニッシュにすっきりとした苦味が感じられる。トゥルーズは,当然パイオニアとして埃に思っている。17世紀のこの地域の地図には,彼の土地が“貴族のブドウ園”と記されている。ラ・セレニッシマ La Serenissima(=イタリア語で「穏やかな共和国=ヴェネツィア」の意味)というよりも,地盤を強化したと言えるだろう。


『クロワッサン・プレミアム 2013年10月号』
・・・ワイン用のぶどう栽培に向くのは,地味に乏しく乾燥した土地というのが通説。その点,ベネチア周辺のラグーンは最も不向きな土地に思える。しかしそこは栄華を極めたベネチアのこと。17世紀には多くの造り手が地ワインを造っていらのだ。南仏出身のミシェル・ソールーズ氏が運命に導かれてサンテラズモ島に移り住み,イタリアの古い固有品種を植えてベネチアのワイン復興に着手したのは10年前。年間1万5000本だけ造られる白ワインは,塩っぽさがありパンチの効いた,なかなかの逸品だ。
『デカンター イタリア2011年特集号』
・・・10年前,フランスのTVプロデューサーとして活躍していたミシェル・トゥルーズは,サンテラズモ島の海岸町に恋をした。ここはヴェネツィアとほぼ同じ大きさの島で,高価な小ぶりのカストラウーレ・アーティチョークが名産だ。彼の別荘からの眺めは,ラグーンからブラーノ島(カラフルな住宅で有名な猟師町)までなにも遮られることはないが,建て直しが必要だった。トゥルーズが到着すると直ぐに長老がやって来て,「君の別荘はサンテラズモ島で最高の農業地に囲まれている。個々で何をするつもりなんだい?」と話しかけた。トゥルーズは都会の人間で,ただ夏の別荘が欲しかっただけだ。ここでなにかをさいばいすることなど考えてもいなかった。別荘に面した小さな土地は背丈ほどの木や葦,雑草が生え,使われていないよう水路があった。50年以上なにも栽培されていない。トゥルーズは挑戦を決意,「常にワインに興味があったので,醸造家の友人に連絡を取った」。

その友人は,ローヌの生産者,アラン・グライヨだった。彼はこのプロジェクトに興味があったが,土地の状況を見てその可能性を疑問に感じた。彼は投資する価値があるかを判断できるリディア&クロード・ブルギニヨン夫妻を呼ぶことを提案した。ブルギニヨン夫妻は土の微生物と農地の健康や特色を分析する専門家として有名だ。

 ブルギニヨン夫妻は土地に幾つかの穴を開けることから始めた:「ブドウ樹に適切な土壌かどうか知る必要があった。結果は期待できるものだった。さらに古い茎を発見した。つまり,この土地で過去にブドウが栽培されていたということだ。しかし,1つ大きな課題があった。それは,土の塩分だ」

 塩水は植物には致命的だ。土から塩分を抜く作業は,大きな挑戦だった。オランダに土から塩分を取り除く素晴らしい技術がある。他のヴェネツィアのラグーン同様,有名なアクア・アルタ(高潮)が来ると,海水が浸水する危険のある平地である。サンテラズモ島は日常的に潮から土地を守るために,3メートルの塀に囲まれている。また,迷路のような排水路が張り巡らされている。

 クロード・ブルギニヨンは,「水路は何十年も使用されておらず,掃除もされていない。地元の人々が過去にどのように使用していたのかを学び,修復することを決めた」と語る。水路の掘り起こしと塩分土壌の建て直しに1年以上かかった。18世紀の水門が復活し,ヴェネツィアの水道局長から,1日に2回の干潮時に農業用水を排水する許可をもらった。

 塩分濃度を下げ,土に空気を入れるため,ブルギニヨン夫妻は,石膏,穀物,根の長い雑草を利用した:「土壌で最も大切なものは,上部数メートルに含まれており,耕作することによってそれらを殺したくなかった。2003年に最初の4.5ヘクタールのブドウ畑が完成し,地元の農家を大変驚かせた」。7年間,ブドウ樹は強く,健康だ。植物を使ったフェンスはブドウ樹とラグーンからの潮風の間に育っている。用水路に沿って微生物を増やすための果樹を植えている。

 ミシェル・トゥルーズは自身で手がけた1つしかないワインを,イタリア語で「菜園」を意味する“オルト”と命名した。アラン・グライヨが品種の選択に協力した。苗木会社,Vivai Cooperativi Rauscedoでワインの試飲を行い,マルヴァジア・イストリアーナ50%,ヴェルメンティーノ40%,そしてフィアーノ10%という風変わりな配合に落ち着いた。「マルヴァジア・イストリアーナはイストリア半島の海岸で,ヴェルメンティーノはトスカーナやサルデーニャの海岸でよく栽培されている」と,トゥルーズは語る。フィアーノの選択が驚きだが,DOCG フィアーノ・ディ・アヴェリーノの主要品種で,カンパニアの山中で栽培されている品種だが,近年シチリアで栽培に成功している。グライヨとブルギニヨン夫妻は接木せずに植樹することも決めた:「土壌が豊かなので,ブドウ樹の生命力を弱めるため,本来の根を生かすことが最適である」と,クロードは語る。「塩分環境と島の立地がフィロキセラのリスクから守ってくれる」。

 オルトの初ヴィンテージは2007年で,ステンレス・タンクのみで醸された。新鮮でフレーバーの深さ,そして伸びとミネラル感がある。「熟成によって“オルトが成熟することに驚いた。オルトはシーフードに合う若いワインを目指していたが,飲み頃を迎えるまでに時間を要する複雑なワインだ」。

 トゥルーズは,「最近,17世紀に緒サンテラズモ島の古地図を発見した。そこに私のブブドウ園が“貴族のブドウ園”と記載されていた。ワイン造りは理に適っていたのかもしれない」。
Copyright@IZUMI TRADING CO., LTD. All rights reserved.