|
|
◆フォルテディガの哲学◆
フォルテディガのワイン哲学は,畑を最重要視していることに集約される。ブドウの成長に合わせて丹念に手入れを行い,最高の質の果実を実らせることが最も重要で,醸造過程ではそれほど手を加える必要がない。つまり,ワインの個性を引き出すのは畑での努力にかかっていると考えている。アルベルト・アントニーニはこう述べている。
「フォルテディガの特長や違いは,試飲して直ぐに現れる個性で,香りのバランスやエレガントでバランス良くミネラル感に富んだ味わいは,この美しい土地や最高の気候がもたらすアイデンティティーである。マレンマは過去30年にわたり最も興味深いワインを生み出した土地で,世界中を魅了してきた。サッシカイア,オルネライア,マセトといったワインは,この地の可能性を証明した素晴らしい例だ。フォルテディガを他のマレンマのワインと差別化していくには,最適な技術を用い,最高のブドウを栽培することと,情熱という最も重要な要素を加えることだと考える」

(画像上)畑の全景

(画像上)シラーの区画
|
|
◆栽培について◆
現在,ブドウの栽培は環境保全型農業で行っていて,数年以内に完全な有機栽培へと移行する計画。すべての区画の1畝おきに下草を生やしている。下草は取り除かず,1年を通じて生やしている。耕耘は定期的に行い,必要であれば除草を行っている。耕耘と除草は機械で行っている。施肥に関しては,まずは下草が肥料となってくれる。必要であれば,有機肥料を用いる。
マレンマは他の地方に比べ,病気の発生が少ないブドウ栽培地。ブドウの病気は春の雨の多い時期に発生することが多いが,マレンマは雨が非常に少ない。このため,フォルテディガでは予防のためにフェロモン・トラップを用いているが,ボルドー液や銅,硫黄といった一般的な予防処置に用いられているものは,ほとんど使用する必要はない。雨が少ないため,逆に灌漑が必要になるが,これに関してはブドウ樹への水分供給量を完全にコントロールするために,ドロップ・イリゲーション/Drop Irrigation(*)を活用している。
*ドロップ・イリゲーション:ブドウの畝に沿って水が流れるプラスティック・チューブを張り渡し,ブドウ樹の根元を狙って水を与える方法。ドロップ・イリゲーションは設備費や維持費が高くつく方法だが,ブドウへの水分供給量を厳密にコントロールできるため,品質を高める効果が最大限に得られる。
収量は剪定の際の芽かきと,6月末から7月初めに行うグリーン・ハーヴェストによって厳格に制限している。収穫はすべて手摘みで行う。選果台を用いてすべてのブドウが厳しく選別されるが,まず,単一クリマのブドウから造られる2つのキュヴェ(ソダマグリとサレブロ)用のブドウが選別され,残りがカベルネ/シラーに向けられる。カベルネ/シラーのブレンドのキュヴェは,ソダマグリとサレブロのセカンド的な位置付けのキュヴェとなっている。例年,成熟が早いシラーから収穫が始まり,その後,カベルネ・ソーヴィニヨンとカベルネ・フランの収穫を行う。

(画像上)カベルネ・ソーヴィニヨンとカベルネ・フランの区画
|
|
◆醸造について◆
100%除梗を行い,8度で48時間の低温マセレーションを実施する(カベルネ/シラーのキュヴェに関しては低温マセレーションは行わない)。その後,自然酵母のみでステンレス・タンクを用い発酵を行う。発酵温度は28度から,高くても32度。自然酵母の活力を損なわないようにするため,なるべく28度前後の温度に管理する。発酵期間は7-8日で,その後,カベルネ/シラーのキュヴェは12-15日間,ソダマグリとサレブロのキュヴェは20日間の果皮浸漬を行う。ポンピング・オーバーは1日4-6回行うが,櫂入れは行わない。その後,空気圧圧搾機で圧搾を行い,マロラクティック発酵と熟成に移る。
カベルネ/シラーのキュヴェはステンレス・タンク50%と,1度使用済みのフレンチ・バリック50%で6ヶ月間,ソダマグリとサレブロはフレンチ・バリック100%で15-18ヶ月間熟成を行う。バリックは,フランスのアリエとヌヴェール産のオークのミディアム・トーストの容量225リットルのものを使用する。熟成はシュール・リーの状態で行い,バトナージュは実施せずに澱引きを行う。アッサンブラージュは瓶詰めの前に行い,無清澄で瓶詰めする。
|
|