HOME >> 生産者情報 >> ジャン=クロード・ベルエ(フランス/ボルドー地方) 

↓INDEX↓
ベルエ・ファミリー
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パーカー・ポイント100点
ボルドー史上最多獲得
シャトー・ペトリュス
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シャトー・ペトリュス訪問記
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ジェーン・アンソンによる
ジャン=クロード・ベルエ
とのインタビュー
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『ニューヨーク・タイムズ』
2014年7月29日
孤高の輝き
イルレギーのワイン
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『ル・ポワン』
2013 年11月30日
ジャン=クロード・ベルエ
たぐい希なる醸造家
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『ワイン・サーチャー』
インターヴュー記事
2013年5月29日
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英『デカンター』
ベルエ父子の特集記事
2010年1月号
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商品ラインナップ
『ザ・ニューヨーク・タイムズ』掲載記事 2014年7月29日
《孤高の輝き イルレギーのワイン》
(記事抜粋)
フィロキセラがブドウを荒廃させた1世紀半前までのイルレギーの栽培面積は、およそ僅か500エーカーであり、これはボルドーの立派なシャトーの2つ分に相当する程度であった。そして、1984年に蒸留所を営むエティエンヌ・ブラナの一家が赤い砂岩にブドウ園を造り、地元の協同組合から独立してワイン造りを始めるまで、大規模なブドウ栽培はされていなかった。今日ではドメーヌ・ブラナ(エティエンヌの子供たちジャンとマルティーヌによって経営される)が、生き生きとした見事なワインを造っている。参考までに、ブラナはポムロールで称賛されるシャトー・ペトリュスに長年醸造家として勤め、世界中のワイン醸造家たちからコンサルタントとして相談を受けるジャン=クロード・ベルエとは家族ぐるみの付き合いで親交が深い。

ベルエの父親はイルレギーでサクランボの栽培をしていた。ベルエは、いつも故郷の地へ戻りたいと願っていたと語る。1992年、4.5エーカーの砂岩テラスの土壌にブドウを植え、1998年に彼自身が造るファースト・ヴィンテージをリリース。そのワインはエリ・ミナと名づけられた。故郷を懐かしむ想いが詰まったワインだ。

“テクノロジーを用いない非・洗練ワイン”とベルエが呼ぶこのワインは優美さとバランスが追求されている。紅茶を愛好するベルエは、紅茶のストラクチャーとアロマの表現をワインにも見出そうとしている。「長く浸漬しすぎた紅茶は飲めたものではない。バランスと控えめな抽出はワインの高尚さを守る決定的なものだ。」と彼は語る。 確かに2013のエリ・ミナ 白は上品なバランスと果実の味わい深いフレーヴァーを持った口当たり。少量のみ生産するエリ・ミナ 赤はカベルネ・フラン100%で、クリスピーな赤い果実のフレーヴァーと完璧なまでの伸びとハーモニー。

前述のドメーヌ・ブラナの最初の成功例を除けば、この地のワイン産業を復活させることは容易ではない。
『ル・ポワン』掲載記事 2013年11月30日
《ジャン=クロード・ベルエ たぐい希なる醸造家》
「木曜日、私が良い子にしていると、ボルドーでカヴィストをしていた祖父が、ボトリングを手伝わせてくれた。その頃からアロマティックな芳香に魅了されてきた。子供の頃の私は行儀の悪い子供で、いつも母親に叱られていた。何しろ、いつも匂いという匂いを嗅ぎまわっていたから。でもそれはもはや本能で、押さえらない欲求だったのだよ。」
8歳の頃からジャン=クロード・ベルエは既に自分の歩むべき道を分かっていたのだ。
ボルドー大学で醸造学を修めた20歳。ボルドーのワイン商を営む家系に生まれたジャン=クロードは、ブドウとワインの技術機関で働き始めた。才能に満ちた彼はジャン=ピエール・ムエックスから声をかけられ、1964年にはムエックスの醸造家になって欲しいとオファーを受けたのだった。

「ジャン=ピエール・ムエックスと仕事をしたことは、喜びと無限の充実感以外のなにものでもない。」とジャン=クロードは語る。ペトリュスの醸造家となれば、大自然をおいて、他に自分のことなどは、まるで構いもしなかった。彼にとって醸造、それは自然に対して従順であることを目指す、慎ましく神妙な行い。醸造家は原料であるブドウの後ろにいる。オーケストラの指揮者のように、最も官能的な解釈を与えるべく楽譜の手直しをする。秘密のレシピはない。
「醸造家は収穫の日、醸造、アッサンブラージュ、ボトリングまでの熟成期間を決めていく。」
過去に活躍した国際的なラグビー選手オリヴィエ・ブルゼの言葉を借りると、「ペトリュス、それは優れたシンプリシティー(単純)」。ジャン=クロードの描いたこのグラン・クリュは、ボルドー・ワインを“補完するもの”となるべくして誕生した。サンテミリオンのワインは空気のように軽やかで、レースのように繊細。メドックはより厳格で表現し始めるまでに時間を要する。ポムロール、殊に、ペトリュスは驚くべき官能。「ペトリュスは“自然に無意識な手法”で生まれたんだ。」とジャン=クロードは説明する。
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